深部体温と睡眠の関係
昨日に引き続き体温の話ですが、測定する部分によって測定時間や測定温度が大きく変わるということです。
いま、一般的に普通の体温の測り方は、デジタル体温計を脇の下に挟んで約2〜3分経つとピピッと鳴って、36.5度前後を示せば平熱として安心しますよね! でも本当は水銀の体温計で、脇の下だと10分以上、口内なら5分以上、直腸(肛門から)なら3〜4分以上、そしてなんと、耳ならば1秒以上で計測ができるんです。
また、サーモグラフィーで体の表面温度は計測したことあるでしょうか? 外気温などの影響もありますが、健康な方は、だいたい33度前後を示すと思います。
実際に体温を測る方法は色々ありますが、私たちの体の中の温度はほぼ37度前後で安定していて、一般的な体温計が示す温度より、やや高めだということです。
体の表面の温度を『体表温度』というのに対して体の内部の温度を『深部温度』と言い深部温度は外部の環境にあまり左右されないようにコントロールされているのです。特に脳に関しては精密にコントロールされています。
深部体温にはサーカディアンリズムがあり、眠気と密接な関係にあります。
また、深部温度は平均気温(日照)のリズムにもよく似ていて、早朝(4時前後)に最も低くなり、その後ゆっくりと上昇していき起床時に向けて準備していきます。日中はそのまま上昇を続け午後の太陽の沈む夕方までにはピークを越えて、月の出る夜に入ると深部体温の低下が始まると眠気がきて、入眠しやすい状態へと準備をしていきます。その後の睡眠中も深夜から早朝(4時前後)に向けてさらに低下していくのです。
眠気は、深部体温の下り始めの時に最も強くなり、さらに深部体温の低下は発汗と密接な関係があります。手や足の毛細血管を拡張させ、皮膚表面温度を上げて発汗を促し、汗をかかせて、それを蒸発させることで熱を放出させ、表面血液の温度を低下させます。この低下した血液を体内に取り込むことで、深部体温を下げていきます。
しかし、冷え性の方は、手や足の血管が機能障害を起こしていることが多く、この体温の放散システムが上手く働かない為に、深部体温も低くなりにくく、寝つきが悪くなることもあります。
やはり、体内時計を規則正しく機能させることが、深部体温の正常化になり、その結果、入眠もしやすくなるんですね!
あしたは『深部体温と代謝』についてお話を続けます。